
オランダを代表する画家ヨハネス・フェルメール(1632~75年)の現存全作品を最新のデジタル技術で複製した「フェルメール光の王国展」(岡山シティミュージアム、フェルメール・センター銀座実行委員会、岡山放送、山陽新聞社主催)が14日、岡山市北区駅元町の同ミュージアムで開幕した。約350年を経て制作当時の輝きが再現された展示品に、美術ファンらが見入っている。
開会式で松田正己山陽新聞社社長、大森雅夫岡山市長が「人々を魅了している静謐(せいひつ)で写実的な作品が一堂にそろった。再現された色彩も楽しんでほしい」などとあいさつ。宮内正喜岡山放送社長らを加えた7人でテープカットした。
同展は、生物学者の福岡伸一青山学院大教授が総合監修。アムステルダム国立美術館の修復資料に基づいて色のくすみをデジタル画像処理で補正したり、色調を損なうひび割れを消すなど、最新の画像処理・印刷技術を駆使して複製を完成させた。
会場では、37作品を制作年代順に紹介。訪れた人たちは、初期の宗教画「聖女プラクセデス」や、青いターバンの少女が振り返る「真珠の耳飾りの少女」など、あふれる光の表現が印象的な作品をじっくりと鑑賞していた。岡山市の公務員の女性(37)は「描かれたばかりのように鮮やかで、迫力がある。細かな描き込みや色使いから、フェルメールの世界観が伝わってきた」と堪能していた。
会期は5月6日まで(4月20、27日休館)。午前10時~午後6時。一般千円、高校・大学生700円、小・中学生400円。俳優小林薫さん、宮沢りえさんによる音声ガイド(別途料金500円)もある。
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岡山で「フェルメール展」開幕
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