2015年01月11日

岡山でも売れてる?! (『21世紀の資本』 トマ・ピケティ パリ経済学校教授 / 『21世紀の資本』 増刷相次ぐ/NHK Eテレ「パリ白熱教室」スタート) 

岡山でも売れてる?! (『21世紀の資本』 トマ・ピケティ パリ経済学校教授 / 『21世紀の資本』 増刷相次) 

グローバルの視点(ことしの世界10大リスクは?等) を持ち、『21世紀の資本』を読んでみた?
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ピケティ氏『21世紀の資本』なぜ人気? 日本経済への見方

フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏の著書『21世紀の資本』が好評である。筆者も英訳版を読むか迷っていたところ、日本語版が出版されたので読んでみた。

 700ページを超える本で字も小さいが、経済学の本にしばしば登場し読者を遠ざける数式の羅列もなく、歴史書の感覚で読める。ただし、日本の歴史書と異なり、ストーリーはデータに基づいている。筆者は歴史が好きなのだが、多くの歴史書はまずストーリーありきでデータがほとんどないのが不満だった。こうしたデータ満載の歴史書ならいくらでも読みたいものだ。

 この本のエッセンスは恐ろしく簡単だ。資本収益率(ほぼ4~5%)が所得成長率(ほぼ1~2%)よりも高いことを、各国の歴史データで示している。これを高所得者と高資産保有者がますます富むことの理由に挙げ、多くの国で格差が拡大したことを証明したのである。

 格差社会を好まない彼はこの現状を打破するため、資本収益率を下げることが有効と考え、資本課税の強化を主張する。それも国際協調のもとですべての国で課税強化策を採用すべしという政策提言になる。

 ただし、こうした単純なことを主張するために、さまざまな角度からの検討が必要であるが、ピケティ氏は学者の良心に基づき、それを丁寧に行っている。従来の本と違う新しさというのも、20カ国の大量の歴史データである。

その分析によって、200年以上の歴史のなかで、第1次世界大戦と第2次大戦の間と、第2次大戦後のしばらくの間は格差の小さい時期だったが、それ以外は格差の大きい時期であることを明らかにしている。これらの主張は、かつてノーベル賞受賞経済学者のサイモン・クズネッツ氏が主張していた「逆U字仮説」を覆すものだ。つまり、経済成長当初、格差は拡大するが、一定レベルを超えた先進国では経済成長に伴い格差が減少する、とのクズネッツ氏の主張に真っ向から反している。

 1930年~80年にかけて格差が縮小していたのは一時的現象であって、資本主義では、資本収益率が所得成長率より高いのが常で、先進国でも格差は拡大するというのがピケティ氏の主張だ。

 『21世紀の資本』が欧米でヒットした背景には、多くの読者が何となく格差が拡大していると思っていたところ、同書の論証によって、やはりそうなんだという納得感を得たからだろう。

 上位1%の所得階層が占める所得割合について、日欧米では第2次大戦前に20%近かったが、戦後は10%にも達せず、安定または低下傾向であった。しかし、80年代から上昇傾向に転じている。特に、英米で急上昇は著しく、第2次大戦前の水準である20%近くにまで達している。

 ちなみにピケティ氏の日本経済に対する見方は、とてもまっとうだ。最近のインタビューで「物価上昇を起こそうという姿勢は正しい。物価上昇なしに公的債務を減らすのは難しい。2~4%程度の物価上昇を恐れるべきではない。4月の消費増税はいい決断とはいえず、景気後退につながった」と述べている。
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「21世紀の資本論」が問う、中間層への警告
日本に広がる貧困の芽とは何か

一匹の妖怪が世界を徘徊している。ピケティという名の妖怪が――。マルクスの言葉をもじってそう言いたくなるようなブームが、欧米で巻き起こっている。フランス経済学校のトマ・ピケティ教授による『21世紀の資本論』が、経済書としては異例の大ヒットとなっているのだ。英語版で約700ページにも上る本格的な経済書だが、特に米国では書店から蒸発するように売れ、出版社が増刷を急いでいる。

マルクスの『資本論』をほうふつとさせるのはタイトルだけではない。本書は「資本主義は格差を拡大するメカニズムを内包している。富裕層に対する資産課税で不平等を解消しなければならない。さもなければ中間層は消滅する」と主張。この主張が米国では、「ウォール街を占拠せよ」運動に代表されるような格差の議論に結び付き、一般市民を巻きこんだピケティブームが巻き起こっている。米国の保守派は「ソフトマルキシズムだ」と反発するが、ポール・クルーグマンやロバート・ソローなど、ノーベル賞受賞経済学者はピケティの実証的な研究を高く評価している。

中間層が消滅する未来

 ピケティ教授は「21世紀の資本」(邦訳はみすず書房)から出版された。話題の一冊となることは間違いない。なぜなら、中間層が消滅する資本主義の暗鬱とした未来は、私たち日本人の足元でもさまざまな現象として現実味を帯びつつあるからだ。

たとえばリストラ。たとえば高齢化した親の介護、自身の病気。こういった不運だが誰の身の上にも起こるライフイベントは、収入の激減や支出の急増を招き、中間層の人生設計を容易に狂わせる。何も起こらなくとも、年収1000万円クラスのアッパーミドルにとっては、社会保障コストの負担が増える趨勢だ。

アベノミクスで景気が回復したといわれるが、好景気を実感できている日本の中間層はどれぐらいいるだろうか。かつては1億総中流と呼ばれ、誰もが成長を実感し、ささやかながらも豊かさを享受できた社会。それがすでに過去のものというのは、現代に生きる日本人の実感といっても、いいのではないか。好景気を実感するよりも、人生という長いレースで貧困側に転落しないか、その不安におののいている人のほうが多いのではないだろうか。

本誌は今話題のピケティの『21世紀の資本論』を、国内ビジネス誌としては初めて特集して伝える。特に8ページにわたるピケティ本人のロングインタビューは、海外でも例のない読み応えだ。さらにピケティの提起する議論を端緒に、国内中間層をとりまく貧困の落とし穴についても考えた。

今回取材したが、紙幅が尽きて掲載できなかった問題のひとつに、教育がある。富裕層の所得が雪だるま式に増えるのと同様に、子どもの教育機会も親の所得に比例して充実する、という事実がある。東大生の親の年収は、950万円以上が半数以上、というのはよく知られた例だ。

開成高校の学費免除の試み

親の所得が生み出す教育格差とその世代間連鎖が社会問題となる中、この流れに逆らおうとする動きもある。そのひとつが私立開成高校(東京都荒川区)の学費免除の試み。2014年度から、経済困窮家庭の生徒を対象に、入学金や授業料を全額免除する制度を始めるという。

同校ではリーマンショック後、経済状況が厳しくなる在校生が増えており、在校生向け奨学金の利用もじわりと増えている。新入生向けの学費免除制度の新設はこの傾向を考慮したものだが、同校にとっては決して慈善事業の類ではないとう。開成高校の葛西太郎教頭は「経済的に困難な生徒ほど、何事も一生懸命頑張るという傾向がある。学校の中に、現実社会と同じ多様性を維持するためにも、さまざまな生徒を受け入れたい」と話している。

資本主義社会に生きる以上、私たちは格差や貧困とは無縁ではいられない。それが今のところの現実だ。であれば、この現実にいかに向き合うか。教育界にとどまらず、すべての人に問われているのではないか。今回の特集を進める中で、何度も考えたことだ。
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「21世紀の資本」ピケティ教授の講義を独占収録 NHK Eテレ「パリ白熱教室」スタート

「21世紀の資本」の著者、トマ・ピケティ パリ経済学校教授による講義を収録した「パリ白熱教室」の第1回が1月9日午後11時から、NHK Eテレで放送される。

 ピケティ教授は「21世紀の資本」(邦訳はみすず書房)で、世界各国のデータを実証的に分析した結果から「資本収益率が経済成長率を上回る時、格差を拡大している」として、富裕層への課税強化などを提言。世界で大きな注目を集め、12月に発売された邦訳書も売り上げランキング上位に入っている。

 「パリ白熱教室」では、同書をベースにしたピケティ教授による講義「不平等の経済学」を独占収録し、全6回で放送。「21世紀の資本論~格差はこうして生まれる~」では、バルザックなどが描いた19世紀の暮らしぶりなどを紹介しながら「富と所得の分配の歴史をフランスのエスプリ満載にレクチャーする」という。

 放送は毎週金曜日午後11時~午後11時54分。
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『21世紀の資本』 増刷相次ぐ

資本主義の下での格差の拡大をデータで実証し、世界的にベストセラーとなっている『21世紀の資本』の日本語版が、先月発売され、増刷が相次ぐなど日本国内でも大きな反響を呼んでいます。
10日都内の書店で開かれた本の内容を解説する催しには、幅広い年齢層のおよそ250人が集まり、関心の高さがうかがえました。

『21世紀の資本』は、フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏が、日本を含む世界20か国以上の税金のデータを基に、「所得」や「資産」を分析し、資本主義の下での格差の拡大を、データで実証した経済書です。
世界各国で格差の拡大が問題視されるなか、英語版は去年発売されたアメリカでベストセラーとなり、先月、日本語版の発売が始まった日本でも大きな反響を呼び、増刷が相次いでいます。
10日は、都内の書店で翻訳した評論家や経済学者が内容を解説する催しが開かれ、「先進各国で資産を持つ人が、より資産を増やし、資産を持たない人との格差が拡大してきている問題を、データに基づいて実証している」などポイントを説明しました。
会場には、幅広い年齢層の男女およそ250人が集まり、48歳の男性は、「資産の面だけでなく、教育や医療の分野でも格差が広がり、世代ごとに固定化されていると感じ、その背景を知ろうと思って参加しました」と話していました。
本の解説をした経済学者で明治大学准教授の飯田泰之さんは、「この本が、一般の方の間でも大きな反響を呼ぶとは予想外でした。背景には、かつて1億総中流といわれた日本社会で資産格差が、ひどくなってきていると考える人が増えてきていることがあるのではないか」と話しています。
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ことしの世界10大リスクは?
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World 10 large risk of this year?


American research company "Eurasia Group" is announced "10 large risk" of international affairs of this year, European politics was cited as the biggest risk.

Every year Eurasia Group that specializes in risk analysis of the international situation, the world has announced that it focuses on 10 themes risk that there is likely to face.
This year in Europe of politics being the greatest risk, in addition to the anti-EU forces in each country as reason is the rise respectively, discrepancies opinion even between countries, even Russia and extremist organization "Islamic State" I am given that external factors such as anxiety is increasing.
The second risk in Russia, with economic sanctions and crude oil depreciation has become severe economic situation, I have that there is a possibility that the Western countries and conflict comes into intimidation by cyber attacks and armed if further deepens.
The third risk is a slowdown in the Chinese economy, Brazil such as resource-rich countries of the economy that have relied on exports to China I have pointed out that get hit.
In addition in the Asia-related include China and Taiwan relations worse, if the Chinese government was determined not to proceed is policy that attempt to capture Taiwan economically, the possibility that the turn to hard-line stance, such as to withdraw the trade agreements that have already agreed There is, we have analyzed and not also could affect the US-China relationship.
Ian Bremmer, president of Eurasia Group, "the United States, Europe, Russia, China, respectively that is moving in a different direction to further destabilize the geopolitical environment, causing the economy to confusion .2015 year will not talk to the big problem is not believed to be too to not occur. "

10 large risk of this year
American research company this year chosen by the "Eurasia Group", "10 large risk" of international situation of 2015 is as follows.
1) In the "Europe of politics" Europe in addition to the fact that the anti-EU forces are on the rise, there has been a growing dissatisfaction with the current administration among each country.
In addition, Russia and extremist organization has also increased external unstable factors such as "Islamic countries", and for this reason, European politics has become the biggest risk factors in the international situation.
2) "Russia" economic sanctions and if crude oil weaker further conflict with Western countries in the Russian economic situation deteriorates in deepens, it possible that Russia is actively is intimidation by armed in the vicinity of the boundary between the cyber attacks and NATO there is sex.
President Putin a more hard-line than be forced to if forced, tend to take reckless action, this is a risk of the world.
3) "China impact of the economic slowdown," the Chinese economy itself outlook'm optimistic, but amid the decline resource prices, such as crude oil, Brazil, which has been dependent on exports to China, Australia, the resource-rich countries such as Indonesia and Thailand become economically be subject to major blow.
4) "weapons of financial" America has begun to heavy use of financial as a weapon on behalf of the military force as a means of sanctions on Russia and Iran.
However, this is the result, the dollar away and risks the United States lead to weakening of the world's financial system, such as the World Bank and the IMF, which has moved to become a center.
5) "Islamic countries" not influence of the "Islamic State" is only Iraq and Syria, also spread to other Middle East and North African countries, Western countries is it more difficult to stifle these forces.
Under these circumstances, Sunni to cooperate with Western countries "Islamic countries" in the countries where the majority is in particular increasing the support person, it would be a risk factor.
6) Brazil and South Africa "force leaders lost", there is no past, such as centripetal force in emerging leaders such as Turkey.
Emerging countries of confusion caused by this is interfere with the overall economic growth and political stability the world, becomes a risk.
7) tend to emphasize the stability of politics than the "Strategy of rise" economic growth strengthened, even in Russia and the United States not only in China, government intervention is intensified in the information communication and strategic sectors such as finance related to security , so that corporate activities is limited.
8) there is a possibility that the conflict becomes more pronounced in Saudi Arabia "Saudi Arabia against Iran" Shiite Iran and Sunni.
If rupture is Iran and Western Metropolitan of consultation over the nuclear issue, to change the balance of the region Iran is increasingly repulsive, increase the risk of causing the intensifying conflict between the sect in the entire Middle East.
9) If the Chinese government, "China and the relationship deterioration of Taiwan" was determined not to proceed economically incorporate policy Taiwan, there is a possibility that the turn to hard-line stance, such as to withdraw the trade agreement with Taiwan that have already been agreed.
Thereby, there is the United States and risks also affect the Chinese relationship.
10) "Turkey" Erdogan president has come out in entirely backfire is policy to push the authoritarian, it has become even more confusing factor in the Middle East situation has become unstable due to the rise of "Islamic countries".

Continued state was tension in Asia extreme
"Eurasia Group" is, as the general risk is different from the evaluation is not applicable, has cited "the rise of Asian nationalism".
In Asia, giving priority to the group in the domestic economic reform of strong power base, and Japan, which achieved a certain level of achievement in China, India, And in terms of four countries of Indonesia was the key, for this among China without changing the aggressive posture around the territorial dispute in the South China Sea, such as, is extremely tense state between the countries we analyzed to continue this year.
And, although the entire Asia these tensions in the background people to support the nationalism is large, Japan and countries (including China), give priority to economic relations and security in the region, each other even as catastrophic incident if happened you are analyzed and calmly can respond.

Dilemma of Japan issues between Russia and the United States
Announced a "10 large risk" of international affairs of this year, the American research firm, president of Eurasia Group, Ian Bremmer's international political scientist, the 5th, was according to the NHK interview.
Bremer said in this, for the reason mentioned the "Europe of politics" as the largest risk of this year, Greece and the United Kingdom, France, And between the member countries, such as EU = European Union Spain, calls for withdrawal mentioned that you are out, "surely national of populism and skeptical feelings to the EU has increased. these developments, which leads to that undermine definitely the EU. than ever before, EU is pressure to be disjoint has been described as to have "growing.
In addition, for Russia listed as the second risk, in the wake of the Ukraine crisis, deepening conflict and the like America or Europe, for that also pointed out out that is entering an era of "new Cold War" is, "I do not think it is to be a "Cold War". to the United States and Europe, Russia and China are not coordinated, respectively, it was stated that there until the force is not "in Russia.
On the other hand, as a worst-case scenario, it said, "NATO = by confrontation of the military and the Russian military North Atlantic Treaty Organization, in Europe, civil aircraft might happen is contingent situation, such as being shot down on the Russian side." , was analyzed and can not exclude the possibility of developing a serious conflict.
Also, about the situation surrounding the Japan, I said, "This year, geopolitical risk which I fear is not in Asia. Good thing for Japan".
That basis as a long-term risk, "the United States, among which it is moving towards one country activism to downplay the relationship with other countries, the United States is the most important alliance partner, become more difficult to be involved in Japan" I pointed out.
And, "in Japan, such as it is expected to support the economic sanctions that the United States is to implement, cost exists of being an American ally," said, Japan and especially Russia wants to deepen cooperation in the economic , caught between America that hate it, but I showed the view that a problem for Japan.
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ことしの世界10大リスクは?


アメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」がことしの国際情勢の「10大リスク」を発表し、最大のリスクとしてヨーロッパの政治が挙げられました。

国際情勢のリスク分析を専門とするユーラシア・グループは毎年、世界が直面する可能性があるリスクを10のテーマに絞って発表しています。
ことし最大のリスクとされるのはヨーロッパの政治で、その理由として各国で反EU勢力がそれぞれ台頭していることに加え、各国間でも意見が食い違い、さらにロシアや過激派組織「イスラム国」などの外的な不安要素が高まっていることを挙げています。
2番目のリスクはロシアで、経済制裁と原油安で経済状況が厳しくなっており、西側諸国と対立が一段と深まればサイバー攻撃や武力による威嚇行為に出る可能性があるとしています。
3番目のリスクは中国経済の減速で、中国への輸出に頼ってきたブラジルなど資源国の経済が打撃を受けると指摘しています。
このほかアジア関連では中国と台湾の関係悪化が挙げられ、中国政府が台湾を経済的に取り込もうという政策が進まないと判断した場合、すでに合意した貿易協定を撤回するなど強硬姿勢に転じる可能性があり、米中関係にも影響を及ぼしかねないと分析しています。
ユーラシア・グループのイアン・ブレマー社長は「アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、中国、それぞれが違う方向に動いていることが地政学的な環境を一段と不安定化させ、経済にも混乱を引き起こしている。2015年が大きな問題が起こらずに過ぎるとは考えられない」と話しています。

ことしの10大リスクは
アメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」が選んだことし、2015年の国際情勢の「10大リスク」は以下のとおりです。
1)「ヨーロッパの政治」ヨーロッパでは反EU勢力が台頭していることに加え、それぞれの国の中でも現政権への不満が高まっている。
さらに、ロシアや過激派組織「イスラム国」など外的な不安定要因も高まっており、このため、ヨーロッパの政治が国際情勢の最大のリスク要因となっている。
2)「ロシア」経済制裁と原油安でロシアの経済状況が悪化する中西側諸国との対立がさらに深まれば、ロシアがサイバー攻撃やNATOとの境界付近での武力による威嚇行為が活発になる可能性がある。
プーチン大統領は追い込まれれば追い込まれるほどより強硬で、無謀な行動を取る傾向があり、これが世界のリスクになる。
3)「中国経済減速の影響」中国経済そのものの見通しは楽観的だが、原油などの資源価格が下落するなかで、中国への輸出に依存してきたブラジル、オーストラリア、インドネシアやタイなどの資源国は経済的に大きな打撃を受けることになる。
4)「金融の兵器化」アメリカはロシアやイランへの制裁の手段として軍事力に代わって金融を武器として多用し始めている。
しかし、これが結果的にドル離れやアメリカが中心になって動かしてきたIMFや世界銀行などの世界の金融システムの弱体化を招くリスクがある。
5)「イスラム国」「イスラム国」の影響力がイラクとシリアだけでなく、ほかの中東や北アフリカの国々にも広がり、欧米諸国がこうした勢力を抑え込むことは一層難しくなる。
こうしたなかで、欧米諸国と協力するスンニ派が多数を占める国々で「イスラム国」は特に支持者を増やし、リスク要因となるだろう。
6)「力を失った指導者たち」ブラジルや南アフリカ、トルコなどの新興国の指導者にかつてのような求心力がない。
これによって生じる新興国の混乱は世界全体の経済成長や政治の安定を妨げ、リスクとなる。
7)「戦略部門の台頭」経済成長よりも政治の安定を重視する傾向が強まり、ロシアや中国だけでなくアメリカでも、安全保障に関わる情報通信や金融など戦略的な部門で政府の介入が強まり、企業活動が制限されるようになる。
8)「サウジアラビア対イラン」シーア派のイランとスンニ派のサウジアラビアの対立がさらに顕著になる可能性がある。
核開発問題を巡るイランと欧米との協議が決裂すれば、イランが反発を強めて地域のバランスを変え、中東全体で宗派間の対立の激化を引き起こすリスクが高まる。
9)「中国と台湾の関係悪化」中国政府が台湾を経済的に取り込む政策が進まないと判断した場合、すでに合意した台湾との貿易協定を撤回するなど強硬姿勢に転じる可能性がある。
それによって、アメリカと中国の関係にも影響を与えるリスクがある。
10)「トルコ」エルドアン大統領が強権的に押し進める政策がことごとく裏目に出ており、「イスラム国」の台頭によって不安定になっている中東情勢をさらに混乱させる要因となっている。

アジア極度に緊張した状態続く
「ユーラシア・グループ」は、一般的な評価とは異なってリスクには該当しないものとして、「アジアのナショナリズムの台頭」を挙げています。
アジアでは、強い権力基盤の基で国内の経済改革を優先し、一定の成果を上げている日本と中国、インド、それにインドネシアの4か国が鍵を握るとしたうえで、このうち中国については南シナ海などでの領有権問題を巡って攻撃的な姿勢を変えず、各国との間で極度に緊張した状態がことしも続くと分析しています。
そして、こうした緊張を背景にアジア全体ではナショナリズムを支持する人が多いものの、日本と中国を含む各国は、地域での経済関係と安全保障を優先させ、仮に突発的な事件が起きたとしても互いに冷静に対応できると分析しています。

日本の問題はロシアとアメリカの間での板挟み
ことしの国際情勢の「10大リスク」を発表した、アメリカの調査会社、ユーラシア・グループの社長で、国際政治学者のイアン・ブレマー氏は、5日、NHKのインタビューに応じました。
この中でブレマー氏は、ことしの最大のリスクとして「ヨーロッパの政治」を挙げた理由について、ギリシャやイギリス、フランス、それにスペインなどEU=ヨーロッパ連合の加盟国の間で、離脱を求める声が出ていることに触れ、「確実に国内的なポピュリズムやEUに懐疑的な感情が増大している。こうした動きは、EUを間違いなく弱体化させることにつながる。以前にも増して、EUがばらばらになることへの圧力が高まっている」と説明しました。
また、2番目のリスクとして挙げたロシアについて、ウクライナ危機をきっかけに、アメリカやヨーロッパなどとの対立が深まり、「新たな冷戦」の時代に入りつつあるという指摘も出ていることについては、「『冷戦』になるとは思わない。アメリカとヨーロッパ、ロシアと中国がそれぞれ協調していないし、ロシアにそこまでの力がない」と述べました。
一方で、最悪のシナリオとして、「NATO=北大西洋条約機構の軍とロシア軍の対立によって、ヨーロッパで、民間機がロシア側に撃墜されるような偶発的な事態が起こるかもしれない」と述べ、深刻な対立に発展する可能性を排除できないと分析しました。
また、日本を取り巻く状況については、「ことしは私が懸念する地政学的リスクはアジアにはない。日本にとってはよいことだ」と述べました。
そのうえで長期的なリスクとして、「アメリカが、他国との関係を軽視する一国行動主義に向かいつつあるなかで、最も重要な同盟相手であるアメリカが、日本に関与することが一層難しくなる」と指摘しました。
そして、「日本には、アメリカが実施する経済制裁を支持することが期待されるなど、アメリカの同盟国であることのコストが存在する」と述べ、日本が特に経済面で協力を深めたいロシアと、それを嫌うアメリカの間での板挟みが、日本にとっての問題となるとの見方を示しました。

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グローバルの視点を持つヒント 『21世紀の資本』 と ことしの世界10大リスクは?
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